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出向の方は労働条件を必ず確認!海外から外国人が来る場合も!

2018.02.27

コラム

出向の方は労働条件を必ず確認!海外から外国人が来る場合も!

海外から外国人が出向で日本に来る!
出向とは、企業が従業員との雇用契約を残した状態で、子会社や関連会社などの別の会社で働かせることを意味します。海外に本社のある外資系企業などでは、外国人が出向という形で日本にある子会社や関連会社に来るケースもあります。

海外の企業に雇用されている外国人が日本の企業で働く場合に、確認しなくてはならないのがビザと労働条件です。また、出向者はどの企業の就業規則に基づいて働くのか、残業命令を出すときや給与の支払いはどうなるのか、気になる人もいるでしょう。

ここでは、海外から出向で日本の企業に来る外国人を受け入れる際に、確認すべきことや注意すべき点を解説します。

出向には2種類ある
出向には「転籍出向」と「在籍出向」の2種類があります。「転籍出向」とは、出向元の企業(ここで言う海外の企業)との雇用関係を終了した上で、出向先となる日本の企業と新たな雇用契約を結んで働く形です。一方の「在籍出向」は出向元となる海外の企業との雇用関係を残した状態で、日本にある子会社や関連会社で働くケースを指します。

この「転籍出向」か「在籍出向」かによって、取得するビザや社会保険への加入、労働条件にも違いが出てくるので、必ず確認が必要です。

就労ビザか短期商用ビザか
「転籍出向」の場合、日本にある企業と雇用契約を結び、日本の企業が外国人に対して給与を支払うので、外国人労働者は就労ビザを取って、来日する形になります。「在籍出向」で海外の企業が給与を支払う場合でも、長期間日本に滞在するのであれば、就労ビザの取得が必要となります。

一方、海外の企業に在籍したまま、短期間(アメリカであれば1回の滞在が90日以内かつ年間180日以内)海外から外国人が派遣されてくる場合は、国籍によって短期商用ビザを取得すれば良いケースがあります。短期商用ビザは日本の空港に来てから取得することもできます。

なお、香港・台湾を除く中国はビザ免除の対象とはならないので、中国籍の労働者が日本に出向で派遣されてくる場合は、出向の種類や滞在期間に関わらず、就労ビザを取得しなければなりません。

社会保険はどうなる?
「転籍出向」の形で外国人労働者を受け入れる場合は、日本の企業の就労規則に基づいて雇用契約を結びます。また、日本の労働基準法が適用され、社会保険も日本のものに加入することとなります。

一方、「在籍出向」の場合は少しルールが複雑です。中には「日本の企業から給与を受け取っていないのだから、日本の厚生年金や健康保険には加入しなくても良いのではないか」という外国人もいるようです。

結論を言うと、「在籍出向」であっても日本の法律が適用される事業所で働く場合は、雇用保険や健康保険、厚生年金にも加入する必要が出てきます。また、「在籍出向」であっても、労働災害に対しては、海外の企業から支払われている給与額をもとに労災保険料を計算・徴収します。

「在籍出向」の場合、外国人が雇用契約を結んでいる国でも保険料の支払いが必要となり、二重に保険料を加入しなければならないケースも生じます。そのような負担を軽減するため、日本は2017年8月時点で20カ国との間で、社会保障協定に署名、そのうち17カ国との間では既に協定が発効しています。

なお、社会保険協定を結んでいる国や、その国特有のルールは日本年金機構のホームページからも確認できます。
http://www.nenkin.go.jp/

それでも、日本の社会保険に入るのをためらう外国人はいるかもしれませんが、海外旅行保険ではカバーできない治療があること、万が一日本で病気やケガを発症して帰国したとしても、帰国後に傷病手当金を引き続き受け取ることができることなど、必要性を根気良く伝えることが大切です。

労働条件はどうなる?
「転籍出向」の場合、先ほども述べた通り、日本の労働基準法に則って作成された、日本の企業の就労規則に従って働くことになります。日本で外国人を新たに雇うのと同様です。

一方、「在籍出向」の場合、外国人労働者は海外の労働基準法に則って作成された、海外の企業の就労規則に記載されている「出向規定」に拘束されます。

出向先の企業で残業命令などを出す可能性がある場合には、事前に出向元の企業と就業規則や賃金の支払いに関するすり合わせが必要ですし、日本に来る前に、外国人に対して労働条件をきちんと提示する必要があります。

また、「在籍出向」で仮に、出向元の国や企業のほうが、日本の労働基準法よりも厳しい労働条件を課している場合であっても、出向先の企業で、日本の労働基準法に反する指揮命令を出すことはできません。

子会社への出向は人事異動の延長
中には子会社や関連会社などへの出向を、「左遷」ととらえて嫌う人もいるでしょう。あくまで日本の考え方ですが、子会社への出向と、関連会社およびその他の会社への出向では意味合いが変わってきます。

日本の判例では、子会社への出向の場合は、出向者本人の同意が必ずしも必要ではないと判断されています。子会社への出向は、転勤や配置転換などの人事異動のように考えられています。

一方、採用してすぐに出向させることや、給与カットなどを含む転籍命令に従わなかった際に見せしめとして孫請け会社に出向させることは人事権の濫用と考えられています。

また、「在籍出向」の場合、期間終了後、元の会社に受け皿があるかどうかというのも大切なことです。事前に、期間終了後の条件について、労働者と確認をしておくことも大切です。

(画像は写真ACより)

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