TOP  コラム  不法就労とは?外国人の不法就労の概要と回避するための注意点

不法就労とは?外国人の不法就労の概要と回避するための注意点

2019.08.26

コラム

不法就労とは?外国人の不法就労の概要と回避するための注意点

現在、日本では多くの外国人が働いています。2019年4月から特定分野での外国人労働が認められ、今後、外国人就労者の増加が予想されています。

 

日本で働くには在留資格が必要となります。しかし、正規の在留資格を得ていない外国人が働いているケースも少なくありません。そのような状態を不法就労と呼びます。

(在留資格についてはこちら「在留資格とは?」)

 

平成30年で、不法就労事実が認められた労働者は、10,086人で、1万人以上にも登ります。

(出典元:法務省「平成30年における入管法違反について」)

平成29年が9,000人程度で、今後の外国人労働者の増加に伴い、不法就労の数も増えることが予想されます。

 

不法就労の内容は複雑なため、本人も不法就労と知らずに働いているケースや、雇用する事業者側も正規の資格者かを確認せずに雇用しているケースもあります。

この記事では、不法就労に該当するケースや罰則規定を紹介し、不正就労を起こさないためにするべきことを説明します。

 

1.不法就労とは

 

1-1.主な不法就労のケース

不法就労には、主に下記のようなケースがあります。

①不法滞在者(不法入国者、在留期限の切れている人(オーバーステイ))

就労以前に、そもそも日本に滞在することすら許可されていない外国人が該当します。

不法滞在はさらに2つのケースに分けられ、1つ目は、不法に入国した不法入国者。

2つ目は、在留期限を越えて滞在している(オーバーステイ)です。

いずれも、在留カードなどで在留資格を確認することが必要です。

 

②働くことが認められていない外国人(短期滞在、留学、家族滞在などの外国人)

在留することは認められているが、働くことは認められていない外国人が該当します。

就労目的以外にも、日本での在留資格を得る方法はたくさんあり、就労を目的としたビザで入国した後、不法に働いている外国人がたくさんいます。

まずは、どういうケースが日本で働くことができるのか、自社の事業に関わる領域はしっかりと把握しておく必要があります。

こちらについては、次の章で説明します。

 

③在留資格で認められた範囲を超えて働くこと。

就労することは認められているが、認められた範囲を越えて働いている外国人が該当します。

自社で外国人を雇用する際、どういった在留資格が必要になるかをしっかりと把握しておくことが必要になります。

(在留資格の種類についてはこちら「在留資格とは」)

 

1-2. 日本で働ける外国人・働けない外国人

まず、日本国内で外国人が働く為には、入国管理局の許可をもらい、在留資格を得ることが必要になります。

 

就労が認められる在留資格と、原則認められない在留資格を解説します。

 

①定められた範囲内で就労が認められている在留資格

「外交」「公用」「教授」「芸術」「宗教」「報道」「経営・管理」「法律・会計業務」「医療」「研究」「教育」「技術・人文知識・国際業務」「企業内転勤」「興行」「技能」「技能実習」「高度専門職」

これらは就労が認められます。

ただし、これらのジャンルに当てはまる仕事、もしくは、これらの在留資格であっても、他の在留資格に属する収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を行う場合は、資格外活動の許可又は在留資格変更の許可が必要です。

許可がなければ不法就労に該当し、処罰の対象となります。

 

②原則として就労が認められない在留資格

「文化活動」「留学」「研修」「家族滞在」

これらの在留資格を有する人は、日本国内で収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を行うことは認められません。ただし資格外活動許可については「留学」「家族滞在」の在留資格を有している人が収入を伴う活動を行おうとする場合は就労先を特定せず、包括的に資格外活動許可を申請することができます。

例えば留学生のアルバイトは、1週28時間以内で、本来の活動である勉学を阻害しない範囲で許可されます。

 

③職種や業種を問わずに就労可能な在留資格

「永住者」「永住者と結婚している」「日本人と結婚している」「定住者(法務大臣から一定期間住むことを認められている人)」

これらの在留資格を有する方は、日本国内での活動に制限はありません。どのような職業でも就労することが可能で、他の職業に転職することもできます。

 

④就労が認められるかどうかは個々の許可内容による在留資格

「特定活動」

上記には該当しない「その他の活動」として設定されているのが、「特定活動」です。例としては外交官等の家事使用人,アマチュアスポーツ選手及びその家族,インターンシップ,特定研究活動,特定情報処理活動,大学卒業後の留学生の就職活動,本邦大学卒業者及びその家族等へ変更する場合などが該当します。

(特定活動についての詳細はこちら「特定活動とは」)

 

しかし、現状は入国管理局の許可を得ず短期滞在査証(通称ビザ)だけで働いている外国人が大勢います。ビザとは、あくまでも90日間だけ日本に滞在できる、という許可であって、就労を許可するものではありませんので、日本で働くには規定された就労制度に従う必要があります。

 

2.不法就労を取り締まっている入管法とは

 

出入国管理及び難民認定法(入管法)とは、入国・出国、外国人の在留資格、不法入国などに関する法律です。

始まりは1951年にポツダム命令に基づいて制定された政令のひとつでしたが、1952年に「ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基づく外務省関係諸命令の措置に関する法律」により、以降は法律としての効力を持つようになりました。

 

それ以降も社会情勢に合わせる形で、数回改正が行われています。1982年の改正ではそれまで地位が明確になっていなかった「戦前から日本に住んでいる韓国・朝鮮・台湾人」の特例永住権が認められました。

 

その後、1980年代後半から1990年にかけては、不法入国者や不法就労者が社会問題化し、在留資格の明確化、不法就労者の雇用主への厳罰化が進められています。2009年からは在留カード交付が開始されるなど、2000年以降も改正が複数回行われています。

 

最近では2018年11月2日に「入管法改正案」を閣議決定しました。改正内容としては、「外国人労働者の増加により、国内の人材不足を解消しよう」という趣旨のものです。

現在、日本では少子高齢化が進み、人材不足が大きな問題となっています。人が集まらない企業も多く、人不足による倒産も相次ぐほどの事態となっています。そういった背景を受け改正がなされました。

 

3.不法就労者を雇用していた場合どうなるか

 

万が一不法就労者を雇用していた場合、その事業主に問われる責任はどのようなのでしょうか。

事業主に問われる責任は主に下記2ケースとなります。

 

3-1.不法労働助長罪で逮捕

不法労働助長罪とは不法就労を助長する行員に関する犯罪です。入管法第73条の2第1項に下記のように記されています。

「3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」

かなり厳しい罰則と罰金となります。併科するということは、罰則と罰金が両方共に課されることもありうることを意味しています。

 

不法労働助長罪に該当する事項は以下になります。

・不法就労活動をさせた者

※不法就労者を雇用した者、使用した者、派遣して労務に従事させた者が該当します。

 

・不法就労活動をさせる為に外国人を自身の支配下においた者

※宿舎を提供した者、パスポートを預かったもの、入国費用の負担などにより事実上の支配下においた者などが該当します。

 

・外国人に不法就労活動をさせる行為又は前号の行為に関して斡旋した事業者

※ブローカー、その他斡旋した者、仲介などが該当します。

 

これらに該当した行為を行った事業者は不法労働助長の罪に問われます。

 

昨今では書類偽装も非常に多く出回っている為、専門的な鑑別が必要となります。安易に外国人を雇用したのは良いが、逆に罪に問われて罰金を支払わなければいけなくなる可能性もあります。

不法労働助長罪は、事業者側が認識していたかどうかは全く関係がありません。

刑法が存在する以上、海外からの人材を雇用するには、不法就労者を雇わないための対策が必要不可欠です。

 

3-2.退去強制の可能性

不法就労者を雇う事業者が外国人だった場合も、違法となります。こちらの場合、有罪判決となった事業所は問答無用で営業停止となるうえに、事業者は国内から強制撤去を命じられます。

違法な営業活動を行うと、それだけで日本国内から追放されてしまうのです。この場合も「知らなかった」では済まされません。

もちろん、今後の日本国内への入国も極めて難しくなります。

 

4.その他不法就労に関連する犯罪

 

平成29年1月1日から施行された改正入管法に「在留資格等不正取得罪」と「営利目的在留資格等不正取得助長罪」があります。

 

4-1.在留資格等不正取得罪とは

 

嘘や不正な手段によって、日本に上陸したり、在留資格の取得、更新、変更、永住許可の取得などを行った場合には、罪に問われます。

今までは、公文書偽造で逮捕される人もいましたが、刑罰が重くありませんでした。在留資格等不正取得罪の条文は、入管法70条1項2号の2として追加されています。

 

 

―入管法70条

"次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役若しくは禁錮若しくは300万円以下の罰金に処し、又はその懲役若しくは禁錮及び罰金を併科する。

2の2 偽りその他不正の手段により、上陸の許可等を受けて本邦に上陸し、又は第四章第二節の規定による許可を受けた者"

 

最近は、日本企業に就職するために、母国の大学の卒業証明書を偽造することがあります。

技能実習生が実習先を脱走し、その後、違法滞在化するケースも増えています。

 

これらの違法・偽装滞在者への対策を強化するためとされています。

 

4-2.営利目的在留資格等不正取得助長罪とは

同時に施行された法律として、改正入管法74条の6に「営利目的在留資格等不正取得助長罪」があります。

 

在留資格は、外国人本人の申請はもちろんですが、在留資格申請取次の研修を受けて、試験に合格し申請取次の資格をもった行政書、弁護士、勤務先の職員などが行うことも可能になっています。

これらの申請取次できる人達も、嘘の在留資格の申請に加担すれば、同様の罪に問われてしまいます。

該当するものは、「3年以下の懲役若しくは禁錮若しくは300万円以下の罰金に処し、又はその懲役若しくは禁錮及び罰金を併科する。」とされています。

 

5.過去の不法就労者に関わる事件

 

ここでは実際に起きてしまった事件に関していくつかご紹介します。

 

1.人材派遣会社 出入国管理法違反(不法就労助長)容疑で逮捕

技能実習先から逃げ出したベトナム人の不法就労を手助けした疑いで人材派遣会社の社長ら二人が出入国管理法違反(不法就労助長)容疑で逮捕された。

容疑は昨年4~9月、不法残留や資格外の状態になっていたベトナム人7人を県内の携帯電話製造工場に派遣していたというものだった。

>>参考記事

 

2.太陽光発電システム施行会社の役員ら3人 出入国管理法違反(不法就労助長)容疑で逮捕

在留期間が過ぎて不法に滞在しているインドネシア人の男を不法就労させたとして太陽光発電システム施工会社の役員ら3人の男を出入国管理法違反の疑いで逮捕した。

容疑者2人は不法滞在していたインドネシア人の男を太陽光発電システム施工会社の取締役を務める容疑者に紹介して電気工事工として働かせ、給料から自分たちの報酬を抜き取っていたということです。

>>参考記事

 

3.中国人ブローカーらが入管難民法違反(不正取得)の疑い逮捕

虚偽の書類を作成し不正に在留資格を得たとして、入管難民法違反(不正取得)の疑いで、不動産会社でブローカーの社長ら中国籍の男女3人を逮捕した。

外国人が日本で起業する場合などに必要な「経営・管理ビザ」を行政書士を介し、会社を経営しているように装う申請をしていた。

>>参考記事

 

6.不正就労者を雇わないためにどうするべきか

 

不法就労を雇わないためには、

「正しい知識を身につけたうえで労働者の在留資格を確認し、雇い入れること」

これに尽きます。

外国人の方が日本国内で働くには、「1-2 日本で働ける外国人・働けない外国人」で紹介した通り、就労が可能な在留資格が必要です。

 

外国人の在留資格は在留カードで確認できます。

外国人が日本に長期滞在するためには、在留カードを所有していることが法律で義務付けられており、在留カードを携帯していない場合は、20万円以下の罰金となってしまいます。

ですので、必ず在留カードを確認するようにしましょう。

(在留カードについて詳しくはこちら

 

※ちなみに入国管理局のサイトで失効した在留カードの番号を確認することも可能です。

在留カード等番号失効情報照会

 

7.最後に

 

近年、日本に滞在し就労する外国人は増えています。これからも増加が予想されます。

様々な現場で活躍する人が増えるのは日本にとって、とても喜ばしいことです。その反面、不法就労に対する取り締まりもますます厳しくなると思います。

 

有能な人であっても、外国人が日本で働くためには、在留資格・在留カードを持っている必要があります。不法就労が発覚した場合は、その外国人を雇用した事業主まで罰せられますので、厳重な注意が必要です。

 

雇用する側の事業主の方は、在留カードはもちろん資格内容についても確認をとれるような雇用体制を整える必要があります。外国人の就労規定を把握し、必ず法令を遵守するようにしましょう。

 

 

8.不安があれば人材派遣会社の活用を!

 

「外国人総研」を運用しているインバウンドテクノロジーでは、外国人材の紹介を行っております。

どうしても、自社だけで採用を進めてしまうと、このようなリスクと隣合わせだと思いますので、人材紹介サービスを利用することも一つ有効な手段です。

 

「外国人雇用」に関わる疑問やお悩みへの相談もできますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

 

 

 

 

 

 

外国人雇用の事ならお任せください!