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外国人技能実習制度とは?外国人を雇用する会社必見!

2019.09.01

コラム

外国人技能実習制度とは?外国人を雇用する会社必見!

1.外国人技能実習制度とは

 

外国人技能実習制度とは、「出入国管理及び難民認定法(入管法)」の改正により、2017年の11月から導入された新しい制度です。

“我が国が先進国としての役割を果たしつつ国際社会との調和ある発展を図っていくため、技能、技術又は知識の開発途上国等への移転を図り、開発途上国等の経済発展を担う「人づくり」に協力すること”(厚生労働省のホームページより)、を目的としており

国際貢献を目的とした制度として、導入されました。

 

ただし、制度の特性上、実習生の「奴隷化」などが社会問題にもなっています。

国際問題にも紐づくため、今後また制度の在り方等も変わることも想定されますので、

受け入れを検討されている会社はしっかりと実態を把握しておく必要があります。

 

本記事では、技能実習制度の概要と実態、受け入れる際の注意点などをお伝えします。

 

 

 

2.外国人技能実習制度導入の背景

 

外国人技能実習制度の背景として、2つのことが挙げられます。

1点目は「国内生産年齢人口の減少」です。

生産年齢人口とは生産活動に従事しうる15歳から65歳までの人口を指します。

現在日本の生産年齢人口は1990年代以降減少を続けています。具体的な数値で見てみるとピーク時にあたる1995年の生産年齢人口は8,726万人に対し、

現在は7,545万人となっており今後も減少が見込まれています。

 

2点目は「日本の移民受け入れ態勢の遅れ」です。日本は歴史的に見ても移民を受け入れることに対して消極的であり、現在もその姿勢に大きな変化は見られません。

しかし生産年齢人口を確保するには外国人を招き入れることが必要不可欠と政府も認めざるを得ない状況となっています。

上記の2点からも分かるように日本は生産年齢人口不足にも関わらず外国人を受け入れる体制が整っていないという矛盾を抱えていました。

この問題を解決できる可能性を秘めているのが外国人技能実習制度なのです。この制度は発展途上国への知識・技能を伝えるという性質をもつため、移民ではなく技能実習生として扱えるため、移民を認めていない日本でも外国人を受け入れることができます。

外国人研修制度はまさに労働力確保を目指す日本にとってうってつけの制度として導入に至ったのです。

つまり、名目上の制度の目的は国際発展であるものの、実質の目的は労働力確保的な意味合いが強いです。このことが、後述する技能実習生の奴隷化問題の要因と言えるでしょう。

 

 

 

3.在留資格「技能実習」の種類

 

技能実習制度で、日本にくる外国人を技能実習生と呼び、技能実習生が付与される在留資格を技能実習といいます。(参考「在留資格とは」)

技能実習には第1号から第3号までの3種類の在留資格が存在し、これらの種類によって技能実習生の雇用期間・企業の受け入れ可能人数が異なってきます。

全ての技能実習生は入国後第1号に区分され、後に所定の技能評価試験を合格することで第2号・第3号へとステップアップしていくことができます。

それでは各区分の要件や移行のために必要な手続きを見ていきましょう。

 

 

3-1.技能実習第1号

取得要件は下記6件です。

1.修得しようとする技能等が単純作業でないこと。

2.18歳以上で、帰国後に日本で修得した技能等を生かせる業務に就く予定があること。

3.母国で修得することが困難である技能等を修得するものであること。

4.本国の国、地方公共団体等からの推薦を受けていること。

5.日本で受ける技能実習と同種の業務に従事した経験等を有すること。

6.技能実習生(その家族等を含む。)が、送出し機関(技能実習生の送出し業務等を行う機関)、監理団体、実習実施機関等から、保証金などを徴収されないこと。また、労働契約の不履行に係る違約金を定める契約等が締結されていないこと。

――参照元:「技能実習生受入れに係る要件

 

これら6つの要件を満たせば技能実習生第1号として、監理団体が行う講習による知識の修得活動と、実習実施機関との雇用契約に基づいて行う技能等の修得活動に従事できます。

また雇用期間については1年間と規定されており、第2号に移行できなければ在留資格を失うため母国へ帰ることになります。

 

3-2.技能実習第2号

取得要件は上記の技能実習第1号に加えて以下の3つが必要になります。

1.技能実習が「第1号技能実習」と同一の実習実施機関で、同一の技能等について行われること。 ただし、技能実習生の責に帰することができない事由により、同一の実習実施機関での技能実習ができない場合は、この限りではありません。

2.基礎2級の技能検定その他これに準ずる検定又は試験に合格していること。

3.技能実習計画に基づき、更に実践的な技能等を修得しようとするものであること

これらを満たすことで「第1号の実習で修得した技能等に習熟するための、 法務大臣が指定する実習実施機関との雇用契約に基づいて、 当該機関において当該技能等を要する業務に従事する活動」を行えるようになります。

また、雇用期間については第一号から二年間追加され、合計三年間となります。その後は第三号へ移行できなければ在留資格を失い、母国へ帰ることになります。

 

 

3-3.技能実習第3号

第3号の取得要件は上記二種と異なるため注意が必要です。

1.実習生の職務において三級の技能検定、又はこれに相当する技能実習評価試験の実技試験に合格すること

2.第2号技能実習の修了後、一か月以上の帰国をすること

3.技能実習計画の認定を受けること

4.在留資格の変更許可を受けること

5.管理団体及び実習実施者が一定の条件を満たし優良であることが認められるもの

これらを満たすことでより高度な技能の習得のために期間として第二号に二年間加えた、計5年間雇用契約を結ぶことができるようになります。

雇用契約終了後は期間の延長はできず実習生は母国へ帰ることになるので注意しておきましょう。

 

第3号の移行時に注意しておきたいことは、大きく分けて2点あります。

1点目は事務手続きを計画的に行うことです。

第3号にスムーズに移行させるには要件1・3・4を一定期間までに終了させなければなりません。そこで技能実習生と移行に向けたスケジュールを綿密に確認し実行していくことが求められます。

事務手続きが期間内に終了しなければ、実習生が働けない期間が生まれ、労働者側・企業側双方にマイナスとなってしまうので気をつけましょう。

2点目は実習実施側すなわち企業側が設けられた基準を満たし優良性を証明しなければならないことです。具体的な基準として以下の表で六割以上(120点中72点以上)を獲得することが求められます。

 

6割以上のスコアを獲得できれば優良基準適合者として、実習期間の延長が許されたり、受け入れ可能な外国人労働者枠が拡大されたりと恩恵を受けることができるのでぜひ挑戦してください!

 

 

 

4.技能実習生の受け入れ方式

 

企業単独型と団体監理型の二通りで別れており、それぞれ受け入れ人数に違いがあるので抑えておきましょう。

 

4-1.企業単独型

実習実施者にあたる個人事業主が海外の現地法人や合併企業、取引先企業の常勤職員などを直接受け入れる形で技能実習を行うことを指します。

実習実施者である受け入れ企業がすべてを一社で負担しなければならないうえ、

海外の所属企業の範囲も細かく決められているため、受け入れ企業の全体の5%程度と、わずかな企業しかの方法をとっていません。

人数枠は以下の通りです。

 

第1号(1年間)

第2号(2年間)

優良基準適合者

第1号(1年間)

第2号(2年間)

第3号(2年間)

常勤職員総数の20分の1

常勤職員総数の10分の1

常勤職員総数の10分の1

常勤職員総数の5分の1

常勤職員総数の10分の3

 

 

4-2.団体監理型

ほとんどの企業がこちらで受け入れています。

商工会などの非営利団体が技能実習生を受け入れ、傘下の実習実施機関で実習を行うことを指します。

人数枠は以下の通りです。

 

 

 

5.受け入れの流れ

 

一般的な「団体管理型」での受け入れの流れは下記のようになっています。

①管理団体に加盟※もしくは設立 (入国約6カ月前)

②受け入れ準備 (入国約1~5カ月前)

 ⅰ.送出機関に出向き、面接・選定

 ⅱ.技能実習計画の作成/機構に認定申請

 ⅲ.在留資格認定証明書の交付申請

 ⅳ.ビザ(査証)申請

③入国

④組合主導で講習の実施(約1カ月間)

⑥雇用契約締結し、各社にて技能実習開始

 

 

 

 

 

6.実習生受け入れのメリット

 

実習生を受け入れる企業側のメリットは様々ありますがその中でも特に企業の業績に直結するものを説明します。

 

6-1.人材確保

生産年齢人口の低下が叫ばれる日本において、とりわけ人材確保が難しい職種が技能実習生の受け入れを政府に認められています。そこで技能実習生制度を企業側は有効活用することで最長5年と期間の定めはあるものの人材確保を期待することができます。一見、一時的な穴埋め作業と感じてしまうかもしれませんが、企業の評価を高めることができれば長期的な人材確保も十分に可能です。

 

6-2.CSRとしての国際貢献

日本企業の知識・技術を技能実習生が修得後に母国で広めることで、経済発展を促すことで国際貢献が期待されます。加えて技能実習生の母国に進出を考えている場合は、その国との親交が深まり、交流のチャンスを得ることにもつながります。

 

6-3.作業工程の見直しによる効率化

技能実習生に向けて、作業工程を一からマニュアル化し伝えることで、作業にばらつきが生まれないようにします。それにより無駄な業務を削減し、業務効率化を図ることができます。

 

6-4.職場の活性化

意欲的な実習生と接することで既存の社員たちも刺激を受け職場が活性化することが見込まれます。また、既存の社員は技能実習生の見本にならなければと責任感を改めて持つことで仕事へのモチベーションアップにつながります。

 

6-5.採用のリスクヘッジ

現在日本国内の離職率は年々増加しており、求人のために使った費用が無駄になってしまうことも少なくありません。それに対し技能実習生は3-5年と期限が設けられていますが確実に勤め上げてくれます。それに加えて熱量を持って仕事に取り組んでくれるだけでなく、採用計画も練りやすいといった利点をもたらしてくれます。

 

これらのメリットを享受するためには実習実施側の準備が必要不可欠です。

実習生受け入れ前に最低限準備しておきたいことは、業務のマニュアル化作成・実習生指導員の配置・宿舎手配などの環境整備です。

受け入れ態勢を事前に整えておくことで、実習生にとって働きやすい環境を提供できるよう企業は尽力しましょう。

 

 

 

7.外国人技能実習制度の実態(問題点)

 

本制度の課題として、「低賃金」・「劣悪な労働環境」などによる、「技能実習生の奴隷化」が実態としてあります

 

例えば賃金については、法律で定められている最低賃金を下回った額を支給する企業が続出しています。加えて賃金未払いにおける裁判に技能実習生が勝訴しても、未払いのままというケースもあります。

技能実習生と正規雇用された外国人の平均月給を比較しても前者は14万3,000円に対し、後者は22万円と大きく差があることは一目瞭然です。

また、失踪した実習生の統計データを見ても賃金が原因で失踪したと答える人は全体の67%を占めるほど、賃金問題は深刻化しています。

 

「劣悪な労働環境」についても技能実習生を苦しめる原因です。

実際に統計データでも労働環境が原因で失踪したと答えたのは全体の17%であり、賃金に次いで2番目の数となっています。

セクハラや暴力にとどまらず、工場機械の点検不足による死亡事故なども発生しており、労働基準関係法上の規則を犯す事件が後を絶えません。実際に労働基準監督署の調査によると、監督指導は6,000件そのうちの七割が法律違反を犯していたのです。また、法律違反を犯した企業数は3,500社存在しこれは全技能実習実施機関の7割を占めます。

 

これら2つの問題の大きな原因は技能実習生と企業のパワーバランスが後者に大きく傾いてしまっていることです。

本来は両者対等な立場にあるべきですが、企業側が実習生に対し強制送還をちらつかせることで実質的に強い力を持ってしまっています。これに対し実習生側は法律によって保護されているため、企業側に対抗が可能ですが充分に機能していません。そこで次章では技能実習生の保護はいかにして行われているか見ていきます。

 

 

 

8.技能実習生の保護について

 

技能実習生の保護は技能実習法第46条から第53条にかけて規定されています。

本章ではその中でも特に抑えておきたい法律をご紹介します。

①技能実習の強制の禁止について

“第46条 実習監理を行う者(第四十八条第一項において「実習監理者」という。)又はその役員若しくは職員(次条において「実習監理者等」という。)は、暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によって、技能実習生の意思に反して技能実習を強制してはならない。”

この法律により実習実施者が実習生に対し、技能実習を強制することを禁止しています。

法律違反を犯した場合は1年以上10年以下の懲役または20万円以上300万円以下の罰金が罰則として与えられます。

 

②違約金設定の禁止について

第47条 実習監理者等は、技能実習生等(技能実習生又は技能実習生になろうとする者をいう。以下この条において同じ。)又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他技能実習生等と社会生活において密接な関係を有する者との間で、技能実習に係る契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。”

 

 

この法律により、技能実習生が不利になる違約金の設定や損害賠償額を予定する契約を結ぶことを禁止しています。技能実習生にとって不利な契約を結ぶことを禁止し、ハラスメントや強制労働等を未然に防ぐ狙いがあります。

法律違反を犯した場合は、6カ月以下の懲役又は30万円以下の罰金を罰則として科せられます。

 

③パスポート・在留カードの保管の禁止について

第48条 技能実習を行わせる者若しくは実習監理者又はこれらの役員若しくは職員(次項において「技能実習関係者」という。)は、技能実習生の旅券(入管法第二条第五号に規定する旅券をいう。第百十一条第五号において同じ。)又は在留カード(入管法第十九条の三に規定する在留カードをいう。同号において同じ。)を保管してはならない。“

この法律により実習実施者が技能実習生のパスポート・在留カードを徴収し、保管することや外出などの私生活を制限することを禁止しています。

この法律を技能実習生のパスポート・在留カードを保管により犯した場合、六カ月以下の懲役又は30万円以下の罰金を罰則として科せられます。

また、技能実習生に対し、解雇その他の労働関係上の不利益又は制裁金の徴収その他の財産上の不利益を示して、技能実習が行われる時間以外における他の者との通信若しくは面談又は外出の全部又は一部を禁止する旨を告知した場合は、六カ月以下の懲役又は三十万円以下の罰金を罰則として科せられます。

 

④主務大臣に対する深刻について

第49条 実習実施者若しくは監理団体又はこれらの役員若しくは職員(次項において「実習実施者等」という。)がこの法律又はこれに基づく命令の規定に違反する事実がある場合においては、技能実習生は、その事実を主務大臣に申告することができる。”

 

この法律により、実習実施者が技能実習法を犯した場合に、実習生が主務大臣に不法行為を申告し保護を求めることができます。加えて、実習実施者が実習生の不法行為申し立てを機に不当な扱いをすることを禁じています。また、この申告制度について記載した技能実習手帳を実習生に渡すことも規定済みです。

これに違反した場合は6カ月以下の懲役又は30万円以下の罰金を罰則として科せられます。

このように実習生を保護する法律は整備されているのですが、被害者は年々増え続け、失踪者は過去最高の7,000人を超える事態です。

この状況を引き起こしているのは、実習実施側の無知と認識の甘さだということを再確認しておきましょう。罪を犯せば必ず罰せられるのが世の常であり、マイナスなことしか起こりません。例えば、最低賃金を下回る額で技能実習生を雇えば、6カ月以下の懲役又は30万円以下の罰金支払いだけでなく、社会的信用を失います。

その結果、技能実習生の受け入れができなくなり、再び人材確保に頭を抱えることになるのです。その状況を未然に防ぐためにも、初期投資を怠らず、法律に則り実習生に対して敬意を払うという至極当然の振る舞いをするだけで、両者気持ちよく働くことができるのです。実習実施側の方は今一度実習生ファーストを胸に刻んでいただけると幸いです。

 

 

 

9.技能実習生受け入れの際のポイント

 

最後に、今回の記事で説明したものの中でとりわけ技能実習生受け入れ時に重要なポイントを受け入れ前と後に分けて整理します。

 

受け入れ前に重要なことは職場環境の整備です。

具体的には、業務のマニュアル化作成・実習生指導員の配置・宿舎手配により、実習生にとって働きやすい環境を事前に用意することです。

これらを行うことで、母国を離れ不安を抱える実習生の精神を安定させ早期定着を手助けするだけでなく、実習実施側にとっても早期戦力として生産性アップが期待できます。

受け入れ後については法令順守を最低限にした実習生への手厚いフォローです。

具体的には、賃金を正当な額支払うことや業務を丁寧に教えることなどが挙げられます。

これらにより、実習生のモチベーションを刺激し、優良企業基準の得点を高め、採用枠の増加や期限延長などが期待できます。

 

最後に、今回の記事で最も伝えたいことは、

外国人技能実習を実施する方々の行動が全て企業の利益・不利益として最終的に還元されるということです。

採用に関わる方や企業の経営者は、職場全体で技能実習生の方に対して最大限の敬意を払えるような文化を醸成していくことが大切です。

 

 

 

10.最後に

 

インバウンドテクノロジーでは、外国人材の紹介を行っております。

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