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在留資格「技術・人文知識・国際業務」ビザとは?

2019.09.01

コラム

在留資格「技術・人文知識・国際業務」ビザとは?

 

いくつかある就労可能な在留資格の中で、日本で働く外国人労働者の中で最も一般的なものが「技術・人文知識・国際業務」です。

平成30年10月末現在のデータでは、213,935人が在留資格を保有しております。(全体の約14%)

 

そこで今回は、外国人雇用を検討している企業の方向けに、「技術・人文知識・国際業務」の内容の詳細、申請に必要な要件やポイント、就労ビザを取得するまでの流れなどについて詳しく紹介します。

 

 

 

 

1.就労ビザとは?

 

「技術・人文知識・国際業務」について紹介する前に、まず、就労ビザ(≒在留資格)とはどのようなものかについてご説明します。

※ビザと在留資格は厳密には異なりますが、ほぼ同義ととらえて問題ありません。

ですので、本記事では両者を同義と扱います。詳しくは「在留資格とは

 

外国人が日本で90日以上に渡り長期滞在する場合、もしくは日本国内で報酬を得る活動をする場合はビザの取得が必要となります。

ビザの中でも日本で就労することを目的としたビザを「就労ビザ」と呼びます。しかしひとえに「就労ビザ」といっても職業によってビザの種類が異なります。

今回、紹介する「技術・人文知識・国際業務」以外にも、「外交」「公用」「教授」「芸術」「宗教」「報道」「経営・管理」「法律・会計業務」「医療」「研究」「教育」「企業内転勤」「興行」「技能」「技能実習」「高度専門職」と、

就労が認められているビザは「技術・人文知識・国際業務」を含めて全部で17種類あります。

その他、内容によっては就労が認められているものもあります。

原則的に、1人1種類の就労ビザを取得することができ、就労ビザを取得するときの申請内容によって職業や働ける活動が制限されます。変更したい場合は、予め決められた手続きに従って、変更許可申請をしなければなりませんので

注意が必要です。また、就労ビザの有効期限は取得した種類によってそれぞれ異なっておりますので、こちらも注意が必要です。

 

 

 

2.「技術・人文知識・国際業務」とは

 

自然科学の分野(理学、工学など)、もしくは、人文科学(法律学、経済学、社会学など)の分野に属する技術・知識を要する業務、または外国の文化に基盤を有する思考や国際業務に携わる外国人で感受性を必要とする業務のことです。

「技術・人文知識・国際業務」と3つの分野をまとめた呼び方をしておりますが、実はそれぞれの内容は異なっています。

そこで、ここでは「技術」「人文知識」「国際業務」それぞれの内容について紹介します。

 

2-1.技術

「技術」とは、自然科学の分野(理学、工学など)、に属する技術・知識を要する業務のことです。

機械工学等の技術者やIT技術者、エンジニア、プログラマーなどの技術系の仕事を日本で行うための就労ビザです。

技術の就労ビザを取得した具体的な事例としては以下のようなものがあります。

 

“専門学校でマンガ・アニメーション科において、ゲーム理論、CG、プログラミング等を履修した者が、コンピューター関連サービスを業務内容とする企業との契約に基づき、ゲーム開発業務に従事するものに取得許可が下りた。”

 

2-2.人文知識

「人文知識」とは人文科学(法律学、経済学、社会学など)の分野に属する技術・知識を要する業務のことです。営業・総務・経理・マーケティング・生産管理・品質管理など事務系の仕事を日本で行うための就労ビザです。

 

人文知識の就労ビザを取得した具体的な事例としては以下のようなものがあります。

“国際コミュニケーション学科においてコミュニケーションスキル、接遇研修、

異文化コミュニケーション、キャリアデザイン、観光サービス論等を履修した者が人材派遣、人材育成、研修サービス事業を運営する企業において、外国人スタッフの接遇教育、管理等のマネジメント業務を行うものに対して許可が下りた。”

 

 

2-3.国際業務

「国際業務」とは「外国の文化に基盤を有する思考・スキル・感受性を必要とする業務」と言われています。

翻訳、通訳、語学講師、海外の取引業務などがあたります。

 

国際業務の就労ビザを取得した具体的な事例としては以下のようなものがあります。

“翻訳・通訳学科に所属しており、通訳概論、言語学、通訳演習、通訳実務などを履修した。出版社において出版物の翻訳業務に従事をするため取得許可が下りた。”

 

 

 

3.資格取得の要件

 

外国人労働者が技術・人文知識・国際業務ビザを取得するためには要件が決められています。基本的には要件を満たしているからといってビザの許可が必ず取得できるわけではありませんが、要件を満たしていなければ不許可となります。

ここでは、資格取得するための要件について紹介します。

 

3-1.技術・人文知識についての取得要件

技術・人文知識の就労ビザを取得するためには次のいずれかに該当する必要があります。

(1)大学卒業程度(該当職種の技術もしくは知識に関連する科目を専攻)、又はこれと同等以上の教育を受けたこと

(2)専門学校卒業程度(該当職種の技術または知識に関連する科目を専攻して日本の専修学校の専門課程を修了)

(3) 在学期間を含み10年以上の実務経験があること

 

3-2.国際業務についての取得要件

国際業務の就労ビザを取得するためには以下に該当する必要があります。

 

(1) 3年以上の実務経験があること

※ただし大卒者で通訳・翻訳、語学指導などに従事する場合は、実務経験は不問。

 

学歴と実務経験に分かれており学歴があれば実務経験は求められず、逆に学歴がなくても実務経験があれば要件を満たすこともあるようですね。それぞれの資格や職種によって要件が変わるので注意をしましょう。

 

 

 

4.資格取得するためのポイント

 

「技術・人文知識・国際業務」について、それぞれの資格取得要件について

紹介をしましたが、ここでは実際に資格を取得するためのポイントについて紹介します。

 

4-1.日本人と同額以上の給与

技術・人文知識・国際業務ビザの申請をする外国人の給与は日本人と同額以上の給与が必要です。日本人と比べ、外国人であることを理由に不当な差別により安く給与を設定することは禁止されています。同じ会社の日本人社員と同額以上の給料を払わないと不許可になります。

 

4-2.従事する業務内容と履修内容の関連性

技術・人文知識・国際業務ビザの申請をする外国人が行う業務は、自然科学の分野(理学、工学など)、もしくは、人文科学(法律学、経済学、社会学など)の分野に属する技術・知識を要する業務、または外国の文化に基盤を有する思考や国際業務に携わる外国人で感受性を必要とする業務でなければなりません。

これらの業務を行うためには大学や専門学校で技術や専門的な知識を得ている必要があります。大学や専門学校で専攻した内容と関連のない職種については技術・知識を要しているとはなりませんので不許可となります。

 

4-3.本人の在留中の素行

在留中の素行によっても不許可になるケースがあります。

これは、過去の逮捕歴がないかどうかなど就労とは関係のないパーソナルな問題や、”オーバーワーク”など許可された許可された範囲を超えて働いていた、なども含まれます。

大学に通っている間、専門学校に通っている間の状況に関しても審査の対象となり、資格外活動での就労規則を破ってしまうと、在留中の状況が良好と認められず不許可になってしまいます。

 

4-4.職務内容の技術または知識に対する必要性

「技術・人文知識・国際業務」ビザの申請をする外国人が行う業務は、技術・知識を必要とする業務ですので、単純作業に当てはまる業務や技術または知識を必要としない業務に関しては、「技術・人文知識・国際業務」の内容いずれにも当てはまらないため不許可となってしまいます。

 

4-5.外国人雇用の必要性

就労ビザを取得する際は、会社の経営状態が安定していることも気にしなければなりません。売り上げが少なく赤字の企業だと、給与を払えなくなり外国人を雇用する必要性を感じないからです。

また、通訳・翻訳の際には使用言語が専攻した言語や母国語と明らかに異なって

いる場合必要性が無いと判断され不許可になってしまいますので注意が必要です。

 

 

 

5.資格取得の不許可事例

 

前章までで「技術・人文知識・国際業務」について、資格取得要件、資格取得ポイントについて紹介をしてきました。ここでは資格取得を不許可となってしまった事例を紹介します。

 

5-1.日本人と同額以上の給与

コンピューター関連サービスを業務内容とする企業に月額13万5千円の報酬でエンジニアとして雇用契約を結ぶという申請があった。

申請人と同時に採用され、同種の業務に従事する新卒の日本人の報酬が月額18万円であったことから、報酬について日本人と同等額以上であるとは認められず不許可になった。

 

5-2.従事する業務内容と履修内容の関連性

国際ビジネス学科にて、英語科目を中心に、パソコン演習、簿記、通関業務、

貿易実務、経営基礎等を履修した者が、アパート賃貸等の不動産業を営む企業において、営業部に配属され販売営業業務に従事するとして申請があった。

しかし英語科目を中心で専攻しており不動産及び販売営業業務の知識についての履修はごくわずかであり、専攻した科目との関連性が認められず不許可となった。

 

5-3.本人の在留中の素行

専門学校において出席率が70%の者に対して、出席率の低さの理由を求めたところ、病気による欠席であると説明がされたが、欠席期間中に資格外活動に従事していたことが判明し不許可となった。

 

5-4.職務内容の技術または知識に対する必要性

ベンチャービジネス学科を卒業した者から、バイクの修理・改造、バイク関連の輸出入を業務内容とする企業との契約に基づき、月額19万円の報酬を受けて、バイクの修理・改造に関する業務に従事するとして申請があった。

ただ、その具体的な内容は、フレームの修理やパンクしたタイヤの付け替え等であり当該業務は自然科学又は人文科学の分野に属する技術または知識を必要とするものとは認められず、「技術・人文知識・国際業務」のいずれにも当たらないため不許可となった。

 

5-5.外国人雇用の必要性

情報システム工学科を卒業した者から、料理店経営を業務内容とする企業との契約に基づき、コンピューターによる会社の会計管理(売上、仕入、経費等)、労務管理、顧客管理(予約の受付)に関する業務に従事するとして申請があったが、会計管理及び労務管理については、従業員が12名という会社の規模から、それを主たる活動として行うのに十分な業務量があるとは認められないこと、顧客管理の具体的な内容は電話での予約の受付及び帳簿への書き込みであり、当該業務は自然科学又は人文科学の分野に属する技術又は知識を必要とするものとは認められず、「技術・人文知識・国際業務」のいずれにも当たらないことから不許可となった。

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「技術・人文知識・国際業務」の就労ビザを取得する際には、上記のポイントや不許可事例を確認して申請を行うと良いでしょう。

とくに、大学、専門学校で専攻した履修内容と業務内容が異なっていないか、外国人労働者の業務が技術・知識を必要とするかしっかり確認をしておきましょう。

企業側は自社の経営状態をしっかり確認したうえで外国人労働者の雇用条件や業務内容を考えてみるといいでしょう。外国人の方は、専攻した内容とは関係しない職種への就労はできないので注意が必要です。

在留中の素行に関しても審査のポイントになりますので気を付けてください。

 

 

 

6.ビザ取得の流れ

 

技術・人文知識・国際業務ビザを取得するには、入国管理局にビザの申請をする必要があります。日本国外にいる外国人を雇用する場合と、既に日本国内にいる外国人を雇用する場合とで申請方法が異なります。

 

6-1.日本国外にいる外国人を雇用する場合

外国人が日本に来るためには上陸のためのビザが必要です。空港でビザがチェックされ、滞在のための在留資格を取得します。

しかし、入国時に必ずしも在留資格が許可されるかどうかはわかりません。もし、希望する業務の就労許可が下りなければ、帰国せざるを得ない状況になります。そうした事態を事前に防ぎ、外国人をスムーズに雇用するために利用するのが、「在留資格認定証明書」の交付申請手続きです。

この手続きは、前もって日本国内から外国人の代わりに在留資格を申請することができます。

代理人が入国管理局とやりとりするため、証明書も短期間で発行されます。

また、外国人本人も渡航前に在留資格が手に入るため(厳密には、入国のタイミングで在留資格を得るため、まだ手に入ったわけではありませんが、在留資格認定証明書を得ればまず在留資格が得られないことはほぼないため、実質手に入ったといえます)、入国のときに拒否される心配が少なくなります

在留資格認定証明書に関しては発行されてから3ヶ月が有効期限です。日本で働く外国人は、発行から3ヶ月以内に入国しないと無効になりますので注意が必要です。

 

6-2.日本国内にいる外国人を雇用する場合

企業が外国人を雇用する際、まずは在留資格の有無を確認することが必要です。外国人労働者本人に在留カードの提示を求め現在持っている在留資格で就労可能かを確認します。

 

問題がなければ不備のないように雇用契約書を作成し外国人労働者本人に雇用された際の条件を詳しく説明し、納得してもらった上で外国人労働者本人と会社の署名がされた雇用契約書を双方で保管しておきます。

日本の専門学校や大学を卒業した外国人を雇用する場合には、「留学ビザ」から「就労ビザ」に切り替える必要があり、雇用する側の企業が外国人に対して働いてもらう許可を国からもらわないと正式雇用ができません。

外国人本人の住所地を管轄する最寄りの地方入国管理局にて在留資格変更許可申請を行います。

また、外国人労働者の転職の場合には転職後の業務内容が外国人の現在の在留資格の範囲外だった場合、雇用する側の企業と外国人が協力して入国管理局へ在留資格変更許可申請を行います。

 

日本国外から外国人を呼んで雇用する場合には、来日してもらう前に、事前に

就労可能かを確認してもらうために、在留資格認定証明書の交付申請手続きを行うと良いでしょう。

また、日本国内の外国人を雇用する場合には転職後の業務内容に合わせた在留資格が必要なため在留資格変更許可申請を忘れずに申請してください。

 

 

 

7.ビザ取得時に提出するべき書類

 

就労ビザを取得する際に提出するべき資料は大きく分けて3つのパターンが存在しており、それぞれ用意する資料が異なっております。

 

7-1.在留資格認定証明書交付申請に必要な書類

提出資料は所属している機関や区分によっても変わってきますが、

「在留資格認定証明書」の交付申請に必要となる共通の書類は、以下となっております。

 

①在留資格認定証明書交付申請書1通

②写真1枚(縦4cm×横3cm,申請前3か月以内に正面から撮影されたもの)

③返信用封筒1通(定型封筒に宛先を明記の上、392円分の切手を貼付したもの)

④技術・人文知識・国際業務の区分に該当する証明文書

※区分(所属機関)により異なります。

⑤専門学校の卒業証明をする文書1通

※技術・人文知識・国際業務の「区分(所属機関)」に記載されている「カテゴリー1~4」のどこに該当する企業かによって、準備すべき書類が異なります。

詳細は法務省の技術・人文知識・国際業務にてご確認ください。

 

7-2.在留資格変更許可申請に必要な書類

提出資料は所属している機関や区分によっても変わってきますが、

「在留資格変更許可申請」に必要となる共通の書類は、以下となっております。

 

①在留資格変更許可申請書1通

②写真1枚(縦4cm×横3cm,申請前3か月以内に正面から撮影されたもの)

③パスポートと在留カード

④日本での活動内容に応じた資料

※区分(所属機関)により異なります。

⑤専門学校の卒業証明をする文書1通

※技術・人文知識・国際業務の「区分(所属機関)」に記載されている「カテゴリー1~4」のどこに該当する企業かによって、準備すべき書類が異なります。

詳細は法務省の技術・人文知識・国際業務にてご確認ください。

 

7-3.在留更新許可申請に必要な書類

定められた在留期間が過ぎ、更新を行わずに日本に滞在すると不法滞在になってしまう可能性があります。在留期間が過ぎる前に入管管理局で在留更新許可申請を行うことが必要です。

 

①在留期間更新許可申請書1通

②写真1枚(縦4cm×横3cm,申請前3か月以内に正面から撮影されたもの)

③パスポートと在留カード

④技術・人文知識・国際業務の区分に該当する証明文書

※区分(所属機関)により異なります。

※技術・人文知識・国際業務の「区分(所属機関)」に記載されている「カテゴリー1~4」のどこに該当する企業かによって、準備すべき書類が異なります。

詳細は法務省の技術・人文知識・国際業務にてご確認ください。

 

 

 

8.まとめ

 

「技術・人文知識・国際業務」について紹介してきましたがいかがでしたでしょうか?「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を取得するポイントや要件、流れについてお分かりいただけたと思います。

いくら優秀な人材でも、正規の就労ビザが取得できなければ日本で就労することはできないため、外国人雇用を考えるうえでの一歩目は就労ビザの申請といえます。そのため、外国人労働者の雇用については就労ビザの基準(在留資格)を考える必要があります。

 

 

 

9.最後に

 

外国人総研を運用するインバウンドテクノロジーでは、外国人材の紹介を行っております。

 

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