TOP  コラム  出入国在留管理庁とは?

出入国在留管理庁とは?

2019.09.10

コラム

出入国在留管理庁とは?

 

出入国在留管理庁(略称:入館庁)とは、主に入出国手続きや、在留管理を行っている組織です。

平成31年(2019年)4月1日に、法務省の内部部局である入国管理局から名称変更し、局から庁へとランクアップしました。

 

本記事では、出入国在留管理庁発足の背景と、具体的な役割についてご説明します。

 

目次

 

1.出入国在留管理庁の発足背景と目的

 

出入国在留管理庁に変更された背景として、特定技能による外国人労働者の受け入れ拡大や、それに伴う、行政としての在留管理の公正化があります。

 

それらをうけ、出入国在留管理庁は大きく2つの目的で発足しました。

 

まず、1つ目の目的は入国管理の強化による不法滞在の対策です。
実際、昨年比で比べても所在のつかめない不法滞在の外国人は増えていることが指摘されており、国会では入管担当の集計ミスなどでそのずさんさが露見するなどしています。

 

2つ目の目的が、特定技能技能実習の制度導入に伴う、外国人の受け入れスキームの適切な運用です。

具体的には不適切なブローカーの排除から、日本語教育機関の適正化や留学生の就職支援なども視野に入れています。

 

 

2.出入国在留管理庁の主な役割

 

2-1.「入国・帰国手続」の役割

出入国在留管理庁にランクアップされたことで、役割自体も増えましたが、入国管理局から引き継いだ多くの役割もそのまま残っています。

1つ目が先に挙げた「入国・帰国手続」です。

入管法に従って、外国人の受け入れや入国時の上陸可否などを判断します。

 

特に、審査の申請の際、法務省令で定める手続を経なければならないとしています。

そのため、外国人入国者は、申請のときに指紋や顔写真を提供しなければなりません。

 

入国審査官が上陸不可とした場合は、その事由等を見定めて特別審理官の口頭審理を経て「退去命令」を出します。上陸や特別な自由で上陸を許可する場合は、「上陸許可」や「特別上陸許可」を出します。入管法第3条では、有効な旅券がないと上陸できないと定められています。

外国人の場合、旅券に加えて有効な査証(ビザ)を所持している必要があります。これは来日前に外公館などで取得しなければなりません。

 

上陸許可の証印がなければ外国人は合法的に日本へ上陸することはできません。

外国人から異議の申し出があった場合は、法務大臣が適合するかを判断し決定します。もし活動内容に偽りがあったり、申請で偽造が判明したりすると、上陸することができないのです。

こうした外国人は退去を命じられます。

 

また、短期以外の滞在を予定する外国人の場合、在留資格を審査することが必要です。そのとき「在留資格認定証明書」があれば効率的に審査ができるのです。

 

・日本人が帰国したケース

日本人が帰国した場合は、出入国港で審査官が旅券を確認した後、帰国の事実を確認し、旅券に帰国の証印を押して正式に帰国となります。そして、外国人の入国・上陸とは股違ったシステムで審査しています。

なぜなら、日本国民を強制退去にしたのでは、日本人としての当たり前の権利を不当に扱うことになるからです。旅券がやむをえず用意できない場合は、帰国証明書を交付することで代替できるとしています。

 

 

2-2.「出国手続」の役割

外国人が出国する場合、出入国港で入国審査官の審査を受ける必要があります。

基本的には旅券を提示して、出国を確認します。このとき、渡航先の国の査証(ビザ)が必要であれば取得します。

以上を経て、旅券に出国の証印をします。もし、犯罪者が国外逃亡をするために出国しようとしたとき、関係機関に通知を受けていれば、24時間の出国確認の保留をすることができます。

 

あくまでも出国は入国と違って出て行く外国人を確認するだけなので、個別審査などのフローチャートがなく許可などもありません。ただし、手続きせずに出国しようとしたりそれを企てたりすると刑事罰の判断が下ります。

 

・日本人が出国するケース

日本人が出国するときの手続きは、旅券の提示や査証(ビザ)の取得、出国確認などを経て旅券に証印がされれば海外へ出国することができます。それから日本人の場合も意図的に日本国外に出る場合に出国とみなされて、出国手続きをしないと刑事罰の対象になります。

 

 

2-2.「在留の管理」の役割

出入国在留管理庁や各支局などは、在留管理についても役割を有しています。

主に、在留期間の更新や資格の変更などを行います。不適切な事案が発生した時は、在留資格を取り消す権限も持っています。例えば一定期間在留資格の本来の活動をしなかったりしたときなどです。他にも在留資格の取得、永住許可や就労資格証明書の取得、資格外活動の許可なども日本国内での役割としています。

 

 

 

(参考)組織の概略と地方、人員について

 

ここからは、内部の組織体制や人員について、より詳しく理解したい方向けに、ご説明します。

ご興味がない方は読み飛ばしていただいて構いません。

 

法務省が管轄する外局に位置します。地方支分部局は、出入国在留管理庁が組織図としてまとめて管理している形です。

現在(2019年7月時点)の長官は、佐々木聖子で次長に高嶋智光、審議官に佐藤淳・道井緑一郎と続く形で在留管理支援部長や各管理部の課長や分析官などが籍を置いています。

前身である入国管理局は、元々戦後の朝鮮人(在留外国人)の管理を主な業務としていた経緯があります。

 

以前は、入国管理局といえば法務省内でも外様として扱われていましたが、現在ではその立場は逆転しています。

そして、入国管理局は内局でしかなかったのですが、出入国在留管理庁になったことで、「庁」という一つの省庁(外局)に変わります。それによって、補助的な役割から行政機関として判断を下せる場所にしたことが大きな変化でしょう。

省庁なので、内部に新設部署が作られ、新たに出入国管理部や在留管理支援部などが作られています。何より、マンパワーを増やすための増強がはかられたことで数百人規模の人員を増化したこと。それが本格的な滞留外国人への施策を実施することを目指していることが分かります。

 

【組織の全体図(局数)】

 

 

地方出入国在留管理局が8局、同支局が7局、出張所の61か所、

それから入国管理センターの2か所が出入国在留管理庁を管轄する組織の全体像です。

都や県には必ずいずれかの出張所や支局が存在し、それらの地域の中央(県庁所在地等)にあたる場所で手続きを行えます。東京は新宿出張所がそれに該当します。

 

 

――関連記事

「特定技能」とは?企業の採用担当者向けにご説明

不法就労とは?外国人の不法就労の概要と回避するための注意点

外国人技能実習制度とは?外国人を雇用する会社必見!

外国人雇用の事ならお任せください!